買い出しから戻ったエアリスは真っ直ぐ、の許へと向かった。は首を傾げる。 手招きをされて、近付けばベッドに座るように言われて、座ればエアリスはの背後に回る。そしていつの間に用意したのか、エアリスはの髪に櫛を通し始めた。は大人しくされるがままだ。 そんな二人の様子を、エアリスと一緒に戻ったティファが微笑ましげに見守る。 あれこれどの位置にどんな風にまとめようか試行錯誤するエアリスはそして決まったのか、頭の天辺近辺の髪を集めて、何かで結んだ。 エアリスが満足げに頷く。ティファが困ったように笑う。そして戻ってきたユフィが、爆笑した。 が首を傾げると、結ばれた髪がひょこひょこと動くのを感じた。エアリスに示されて鏡を覗き込むと、そこには頭の天辺にぴょこんと一房の髪を真っ赤なリボンで結ばれた自分がいた。髪型の所為か、今のは普段より幼く見えた。 「さっき買い出しに出掛けた時に見つけてね、に似合うだろうなーって思ったら思わず買っちゃった」 「わたし、に……?」 「うん。って肌が白いし、黒髪にはきっと赤い色が映えると思ったの」 思ったとおりだったわ。エアリスは笑う。一方で自分の身なりに頓着しないは首を傾げる。けれど誉め言葉と受け取れるエアリスの言葉に、悪い気はしなかった。 ありがとう、と言うと、エアリスの笑みが深まる。 「よかったら受け取ってもらえるかしら?」 「……髪、結ぶ……ない」 確かに。 だからエアリスも迷って、こんな幼い子供にするような結わえ方になってしまったのだ。 「確かにの髪を結わえるのは難しいけど、別に使ってもらえなくてもいいの。ただ受け取って欲しいだけ」 ね? と笑うエアリスをしばらく見つめて、は頷いた。 頭の天辺からぴょこんと生える一房の髪が、そんなの動きに合わせてひょこひょこと動く。それにユフィがまたお腹を抱えて笑い出した。 あまりに大きなユフィのその笑い声に、他の宿泊客への迷惑になると注意しにやって来たクラウド。 彼にひょこひょこ動くのソレを見られるまで、もう少し。 全身が映る大きな姿見の前に立って、は真っ赤なリボンと睨めっこする。 そして徐に、長いそれを首に巻く。一周では余りが多すぎたためもう一周。そして苦しくない余裕を持って蝶型に結ぶ。 は満足げに笑った。 |